注目ポイント
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自由にプランニングできる注文住宅では、屋上を設置することも意のままに行えます。しかしながら、屋上を設置することで発生するデメリットや、注意すべきポイントなどもあり、物件完成後に後悔しないためにも、事前にしっかりと知識を深めておくことが大切です。
端的に言えば、建物の屋根部分を全面、あるいは部分的に平な形状に整え、人の出入りを可能にし、様々な目的に利用できるように設置したスペースということになります。注文住宅でマイホームを建てようとしている方は、憧れをお持ちの方も多いことでしょう。まずは、屋上のメリットとデメリットを見ていきましょう。
屋上のある家は屋上のない家にはないスペースを有しているというのが明確な違いになります。その上で、この屋上という特別なスペースは、様々な用途に自在に活用できるというのが、なによりのメリットと言えるでしょう。具体的な活用方法としては、以下のようなものがあります。
物件の立地や周辺にある建物などの要素にも左右されますが、一般的に屋上は目線が1フロア分高くなるので、2階の窓やベランダから見るのとは違った眺望を楽しむことができます。例えば高台に立地している物件であれば、より遠方まで広々とした眺望を、自宅にいながら毎日満喫できるという特権が得られます。四季ごとの変化を楽しめるのも、屋上がある自宅ならではです。
昨今ますます人気の高まっているキャンプやグランピング、バーベーキューなどのアウトドア。しかし、コロナ禍などの影響もあり、そうした場所に出かけることがはばかられるというご時勢でもあります。その点、屋上にテントやタープを設置し、バーベーキューグリルを活用すれば、自宅にいながらアウトドア気分を満喫できます。夏場であれば、屋外用プールを設置して、リゾート気分を味わえるというのも然り。もちろん遠出をするための時間や距離の移動というものは一切不要です。
もちろん屋上のない家であっても、ベランダやサンデッキ、あるいは庭などに洗濯物や布団を干すことはできます。しかし、それらの場合はスペース的な制限がある場合が多く、また時間帯によって日当たりが左右され、その日の風向きの違いによる影響もあります。その点、屋上であればより多くのスペースを確保でき、日当たりも風当たりも全方位有効活用することができます。外部からの視線をシャットアウトする壁を設ければ、人目を気にする必要もありません。
従来であれば観葉植物や家庭菜園は庭で行うというのが定番でしたが、さいたまを含め、土地が限られたエリアでは、なるべく敷地を建物面積に割り当てたいというのが本音ではないでしょうか。その点、屋上を設置する方法であれば、敷地面積を最大限建物に割り当てた上で、屋上スペースを観葉植物や家庭菜園に活用するというやり方も可能になります。
上記のような活用方法によって屋上のない家では得られない楽しみや利点、アドバンテージを得ることができる屋上ですが、その一方で、屋上の無い家では心配する必要のない、屋上のある家ならではのデメリットというものもあります。これらについても、予め知識を深めておいてください。
地球温暖化が原因と思われるゲリラ豪雨や線状降水帯の発生は、ここ数年で頻度が高まり続けているのはご存知の通りです。もちろん屋上を設置する際には排水性にも考慮されますが、近年のゲリラ豪雨は短時間で想定を超えた雨量が降ってしまうこともあり、排水能力を超えてしまう可能性もありえます。そうしたリスクを防ぐためにも、屋上の排水性には、これまで以上に気を配る必要があります。
屋上のある家を建築するには、屋上のない家に比べ、費用はより高額になります。具体的に幾らとは言い切れませんが、例えばペントハウス付きの10坪程度の屋上を設置するには、通常プラス200万円程度の費用が加算されます。また屋上を設置すれば、そのメンテナンス費用も必要になります。例えば鉄骨造でシート防水を用いた場合、10年ごとにメンテナンスが必須となります。※1
そもそものお話として、普通の一戸建て住宅の屋根を掃除するという方はまずいないことでしょう。一方で屋上というものは、住人の方が何かしらの目的で活用する場所であり、定期的に清掃をする必要があります。ゲリラ豪雨対策として、排水溝のつまりなどには特に気を配る必要があります。ただし、庭のように雑草の除去などは不要ですので、その点は楽と言えるでしょう。
ひと口に注文住宅に設ける屋上と言っても、その作り方にはいくつか種類があります。施主とそのご家族の好みや屋上をどのような用途に用いるかによって、どのタイプを選ぶことができますので、この点に関しても、ぜひ知識を深めておいてください。
屋上に上がる階段を室内に設け、屋上に達する部分にペントハウス(塔屋とも言います)という小屋を設置し、そこから屋上に出入りするという方式になります。ペントハウスは建築面積の8分の1まで、かつ高さ5mまでという規定が設けられています※2。建物の屋根面積をより友好的に活用したいという場合に適したスタイルと言えるでしょう。
建物の屋根部分の半分を屋上、もう半分は片流れ屋根とするというやり方が該当します。敷地の形状などの理由で高さ制限がかかり、屋根全面を屋上することが出来ない場合でも、この方法であれば屋上を設けることができます。あるいは単純に、コストを抑えるためにこの方法とすることもできます。
屋上に行き来する階段を室内ではなく屋外に設置するスタイルになります。コスト的には室内階段&ペントハウスの方式よりも高額になりますが、ペントハウスがないので高さ制限の影響をうけにくいというメリットがあります。また屋根面積を最大限屋上として活用したいという場合に適したスタイルと言えます。
2階建て住宅で、2階部分の半分が通常の居室、もう半分を屋上のように活用するというスタイルになります。いわゆる屋上というイメージとは異なるかもしれませんが、コストを抑えながら屋上的なメリットを得られる方法と言えるでしょう。なお、居室と隣接しているので、排水性にはより重点を置く必要があります。
それこそ屋上の設置に限らず注文住宅の家づくり全般に言えることですが、いざ建物が完成した後で、イメージしていたのと違うと後悔してしまうケースはしばしば起きがちです。そうした事態を回避するためにも、事前のプランニングや対策が重要になってきます。
プランニングの際に勇んで屋上を設置したものの、次第に使わなくなってしまうというパターンが意外と多くあります。その原因は、屋上への行き来が面倒という単純な理由であることも。例えば寝室を1階、リビングを2階とする間取りにし、リビングから屋上にアクセスできる動線とすると、そうした事態を回避することにつながります。
昨今のゲリラ豪雨の頻発を踏まえ、排水性の確保は需要です。もちろん、まっとうなハウスメーカーや工務店であれば、規定をクリアした家づくりを行っていますが、想定を超えた雨量も起こり得るご時勢ですので、より綿密な対策が必要です。一方、雪に関しては、さいたまエリアであれば、建築基準を守っている限り、さほど心配は要らないでしょう。
現在の規定では、屋上に設ける手すりの高さは1.1m以上でなければならないとされています※3。ただし、その高さでは、例えば踏み台に乗った子どもが転落してしまう可能性もありえます。小さなお子さんがいるご家庭では、思い切って屋上全体を高い壁で囲ってしまう方がよいでしょう。もちろん、子どもがよじ登るようなものを置きっぱなしにしないということも重要です。
極端な例として、注文住宅の建設予定地が、高層物件に取り囲まれているという場合は、屋上を設置しても周囲からの視線が気になり使わなくなってしまうということが予測できます。また高さ制限や斜線制限といった条件をクリアできる土地かどうかも事前にしっかりとチェックしておくことが肝心。ローンを組んで入手した土地が、屋上を設置できない条件だったということがないように注意が必要です。
繰り返し述べています通り、屋上を設置するということは、屋上のない家とは違い、定期的なメンテナンスが不可欠になるということでもあります。一般的な切妻屋根や片流れ屋根などでは必要ない手間暇がかかるということを、今一度踏まえておいてください。具体的な内容は、以下にご紹介しています。
実際に屋上を設置した注文住宅では、どのようなメンテナンスが必要になるのか、気になるところでしょう。主なものをご紹介していきますので、参考にしてみてください。
それこそ屋上のない家にお住まいの方は、普段、屋根がどれほど風雨にさらされ汚れているかというのは意識していないことでしょう。一方、屋上という場所は、屋根と同様の風雨にされられていると同時に、くつろぎややすらぎを目的として活用する場所でもあります。それゆえ、こまめな掃除は不可欠です。とりわけ排水溝が詰まってしまうと、家屋への浸水リスクが格段に上昇してしまいますので、綿密なケアが不可欠です。
屋上ならではの注意点としては、手すりや柵の安全性確認も見逃せないポイントとなります。もちろん新築直後であればさほど心配は要りませんが、月日が経つほどに、経年劣化は進んでいきます。とりわけ屋上という場所は、風雨や直射日光によるダメージをダイレクトに受ける場所なので、室内よりもマメな確認が必要だということを留意しておいてください。
屋上を設置する場合、当然ながら屋根部分を平面形状として上で防水加工を施すということになりますが、この防水加工というものは、未来永劫その効果が持続するというものではありません。10年に1回程度は補修を行うことが必要とされます※4。また10年経過していなくても、雨漏りで天井にしみができた、室内の湿気が多くなったといった事象が起きたら、防水補修の時期と判断できます。
以上の通り、屋上というスペースは様々な用途に活用することができ、ご家族のライフスタイルをより豊かにしてくれるポテンシャルを秘めています。その一方で、利用目的を明確にしないまま、なんとなく設置したものの、結局使わなくなってしまうということも起こりがちです。
それこそ決して少なくない費用が掛かるものですので、プランニングの際には、屋上を設置する目的や用途をしっかりと検討することが欠かせません。ゆえに、屋上の設置を検討するのであれば、屋上づくりのノウハウや提案力に長けた業者に相談することが賢明です。業者選びの際は、屋上づくりの実績や施工事例などをチェックすることから始めましょう。
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